入れ歯治療について
噛む力は、私たちの全身の健康を支える大切な機能のひとつです。しっかり噛むことで脳が刺激され、活動的で若々しい毎日を保つことにつながります。そのため、歯を失ったまま放置するのではなく、適切な治療で噛める状態を取り戻すことが重要です。入れ歯は、歯を失った際に行う補綴治療の一つですが、「痛くて使えない」「しっかり噛めない」「外れやすい」といった不満を感じている方も少なくありません。
武蔵新城のほしのファミリー歯科・矯正歯科では、初めて入れ歯を作る方はもちろん、現在の入れ歯に違和感がある方にも、快適で使いやすい入れ歯を提供できるよう、カウンセリングから設計、製作まで丁寧に対応しています。歯科技工士とも密に連携し、一人ひとりのお口の状態に合わせて、機能性と審美性の両立を追求した入れ歯づくりを行っております。お気軽にご相談ください。
部分入れ歯と総入れ歯があります
入れ歯は、歯の残存状況によって大きく2種類に分けられます。
総入れ歯
総入れ歯は、すべての歯を失ってしまった方に使用されるもので、上顎または下顎全体を覆う入れ歯です。
部分入れ歯
部分入れ歯は、まだ歯が残っている方に使用する入れ歯で、失った歯の両側にある健康な歯にバネをかけて固定します。
保険と自費の入れ歯の違い
入れ歯には、健康保険が適用される「保険の入れ歯」と、自由診療で提供される「自費の入れ歯」の2種類があります。それぞれに素材や見た目、機能性、費用などに明確な違いがあります。保険の入れ歯と自費の入れ歯は、それぞれの特徴を理解し、ご自身のライフスタイルや希望に合わせて選ぶことが大切です。
保険適用の入れ歯
保険の入れ歯は、主にレジン(プラスチック)素材で作られます。費用は比較的安価で、3割負担の場合、約5,000円〜1万5,000円程度です。治療期間は約2週間〜1ヶ月で、見た目や耐久性に限界があります。装着時に違和感を感じやすく、調整も最小限のためズレやすいこともあります。また、温度や味を感じにくいのが特徴です。
自費の入れ歯
自費の入れ歯は、コバルトクロムやチタン、セラミックなどの高品質な素材を使用します。審美性や耐久性が優れており、患者さんのお口にぴったりフィットするように何度も調整を行います。費用は、15万〜50万円程度が一般的です。治療期間も約3ヶ月と長めですが、精密な調整によって快適な使い心地が実現します。自費の入れ歯は、長期間使用しても耐久性があり、見た目も自然で、温度や味も感じやすくなります。
当院で扱っている入れ歯の種類
金属床義歯
金属床義歯は、入れ歯の内側(床)に金属素材を使用した義歯で、プラスチック製の入れ歯と比べて薄く、強度が高いことが特徴です。上あごの広い面積にわたって金属が使われることで、装着時の圧迫感や異物感を軽減し、より自然に近い装着感を得ることができます。また、金属は熱の伝導性が高いため、食事中に温かさや冷たさを感じやすく、食事の楽しみが損なわれにくい点も魅力です。ただし、自費診療となるため費用はやや高額になり、大きく口を開けた際に金属部分が目立つこともあります。
メリット
- 床の厚みを抑えられるため、装着時の違和感が軽減される
- 耐久性に優れ、破損や変形のリスクが少ない
- 食べ物の温度が伝わりやすく、自然な食感が得られる
- 金属は水分を吸収しないため、入れ歯を衛生的に保ちやすい
デメリット
- 自由診療となるため、費用が高くなりやすい
- 口を大きく開けると、上あごの金属部分が見える可能性がある
マグネットデンチャー(磁石式)
マグネットデンチャーは、磁石の力で装着するタイプの入れ歯で、クラスプ(金属バネ)を使わずにしっかりと固定できます。神経を抜いた歯やインプラントの上部に永久磁石を取り付け、入れ歯側には磁性素材を組み込むことで、強力な磁力で安定させます。外れにくいのに取り外しは簡単という利便性に加え、見た目が自然で他の歯に負担をかけない点も特長です。
メリット
- 磁力によってスムーズに着脱でき、使い勝手が良い
- しっかり固定されるので、ガタつきやズレが起こりにくい
- バネを使わない設計のため、見た目が自然で目立ちにくい
- 支えとなる歯に余分な負担をかけにくい構造
デメリット
- 自由診療のため、費用が高額になる傾向がある
- MRI検査時に磁力が影響する可能性があるため事前の確認が必要
ノンクラスプデンチャー(部分床)
ノンクラスプデンチャーは、金属のバネを使わず、柔軟性のある特殊な樹脂で作られた部分入れ歯です。金属部分がないため目立ちにくく、審美性に優れており、特に前歯に近い部分の補綴に適しています。弾力のある素材で作られているため、装着時の違和感が少なく、壊れにくい点も利点です。一方で、素材の性質上、一定期間ごとの作り直しが必要となる可能性があります。
メリット
- 装着中でも金属が見えないため、審美性に優れている
- 従来の保険の入れ歯よりも薄く作れるため、装着感が快適
- 柔軟性があり、衝撃にも強いため破損しにくい
デメリット
- 自費診療となるため、費用の負担が大きくなる場合がある
- 樹脂の劣化により、2〜3年程度での再製作が必要になる場合がある
レジン床義歯
レジン床義歯は、保険診療で提供されるスタンダードな入れ歯で、プラスチック素材(レジン)で構成されています。費用を抑えて製作できるのが最大の魅力で、破損や不具合が生じた際にも修理がしやすいという利点があります。しかし、強度を確保するために一定の厚みが必要となることから、装着時に違和感を感じやすく、長期使用では劣化や変形が生じやすい点がデメリットです。また、金属製の留め具が見える場合があるため、審美性を重視する方には不向きなこともあります。
メリット
- 保険が適用されるため、経済的な負担を抑えて製作できる
- 万が一破損した場合でも、比較的短期間で修理が可能
デメリット
- 強度を確保するために厚みが出やすく、装着感に違和感を覚えやすい
- 素材や構造の関係で、長期間の使用により破損や劣化が生じやすい
- 留め具の金属が目立ちやすく、見た目に影響を及ぼすことがある