ボツリヌストキシン注射について
歯ぎしりや食いしばりにお悩みの方へ、当院ではボツリヌストキシン注射による治療を行っています。
従来はマウスピースを使った治療が一般的でしたが、「すぐに壊れる」「毎日の装着が負担」といった声も少なくありません。そうした方のために、筋肉の緊張をやわらげるボツリヌストキシン注射を取り入れています。
ボツリヌストキシンは、神経から筋肉への信号をブロックする働きがあり、咬筋(噛む筋肉)の動きを抑えることで歯ぎしりや食いしばりを軽減します。
美容医療の分野でも長年使われており、安全性も確立されています。
マウスピースが合わない方や、症状を根本から改善したい方におすすめの治療です。
当院ではイノトックス(INNOTOX)を使用しています
当院では、ボツリヌストキシン注射に「イノトックス(INNOTOX)」という製剤を使用しています。この製剤は、米国アラガン社(ボトックス製造で有名)とライセンス契約を結ぶ韓国のメディトックス社が開発した液状タイプのボツリヌストキシン製剤です。
安全性と持続性に優れており、効果を実感しやすい点が特長です。
イノトックスの3つの特長
1. 安全性
従来の製剤は粉末状で、医院で生理食塩水による希釈が必要でしたが、イノトックスは液状のため、希釈の手間がなく、菌の混入リスクを軽減できます。
さらに、保存剤として使用されていた人血清アルブミン(副作用報告あり)を含まず、動物由来成分も使われていないため、より安心して治療を受けていただけます。
2. 持続性
イノトックスの効果は一般的に3〜6ヶ月ほど続きます。
MFDS(韓国食品医薬品安全処)による臨床試験でも、他の製剤と比べて効果の持続時間が長く、効き始めが早いという結果が出ています。
3. 効果の実感の早さ
注射後、3日〜1週間ほどで効果を感じる方が多く、定期的な経過観察と再注射により、効果を安定的に維持できます。
イノトックスのリスク・副作用について
イノトックスは比較的安全性の高い製剤ですが、まれに以下のような副作用が見られることがあります。治療前に十分なご説明を行い、ご納得いただいたうえで施術を行います。
内出血
注射部位にごくまれに内出血(青あざ)が起こることがあります(発生率:約1%)。通常は数日~1週間ほどで自然に消えていきます。
アレルギー反応
製剤に含まれる成分にアレルギーがある場合、赤みやかゆみなどが出ることがあります(発生率:約0.1%)。異常を感じた際はすぐにご相談ください。
表情の違和感
表情筋や咬筋の動きが一時的に抑えられることで、笑顔や口元に違和感を覚えることがあります(発生率:約0.6~0.8%)。この違和感は注射後1〜2週間をピークに徐々に落ち着き、1ヶ月程度で自然に馴染んでいきます。
歯科医院でできるボツリヌストキシン注射
当院では、歯ぎしりや食いしばりだけでなく、歯科治療の一環としてさまざまな症状に対して注射を行うことが可能です。
歯ぎしり・食いしばりの治療
歯ぎしりや食いしばりは、咬筋の過度な緊張が原因で歯や顎に負担がかかり、頭痛や顎関節症のリスクも高まります。ボツリヌストキシン注射で咬筋の筋肉の動きを抑制することで、筋肉の緊張を和らげ、症状の軽減や歯の摩耗防止に効果的です。
エラ張りの改善
歯ぎしりや食いしばりが長期的に続いている場合、エラの筋肉が発達して張ったように見えてしまいます。ボツリヌストキシン注射で筋肉の作用を弱めることでエラの張りが軽減される場合があります。(※骨格によるエラの張り等には変化がありません。)
ボツリヌストキシン注射の効果期間と注意点
ボツリヌストキシン注射の効果は通常3〜6ヶ月ほど持続します。効果を安定的に維持するためには、定期的な再注射が必要です。
「何度も注射を続けて大丈夫?」と不安に思われる方もいらっしゃいますが、適切な間隔を守れば、繰り返し注射を行うことに大きな問題はないとされています。むしろ、継続的に治療を受けることで、1回あたりの効果が長く続く可能性もあります。
これは、咬筋(噛むための4つの筋肉のうち最も強い筋肉)の活動が抑えられることで、他の筋肉が代わりに働くようになり、徐々に咬筋の力が弱まるためと考えられています。ただし、あまりにも短い間隔で注射を繰り返すと、抗体ができて効果が薄れる可能性もあるため、最低でも3ヶ月程度の間隔を空けて再治療を行うことが推奨されます。
ボツリヌストキシン注射の治療費用
ボトックス治療 | 25,000円(税込) |
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